吹きすさぶ……
錯誤
両手にて抱《いだ》かんとし、
手の先にて掴《つか》まんとする我等よ、
我等は過《あやま》ちつつあり。
手を揚げて、我等の
抱《いだ》けるは空《くう》の空《くう》、
我等の掴《つか》みたるは非我《ひが》。
唯《た》だ我等を疲れしめて、
すべて滑《すべ》り、
すべて逃《のが》れ去る。
いでや手の代りに
全身を拡げよ、
我等の所有は此内《このうち》にこそあれ。
我を以《もつ》て我を抱《いだ》けよ。
我を以《もつ》て我を掴《つか》め、
我に勝《まさ》る真実は無し。
途上
友よ、今ここに
我世《わがよ》の心を言はん。
我は常に行《ゆ》き著《つ》かで
途《みち》の半《なかば》にある如《ごと》し、
また常に重きを負ひて
喘《あへ》ぐ人の如《ごと》し、
また寂《さび》しきことは
年長《とした》けし石婦《うまずめ》の如《ごと》し。
さて百千の段ある坂を
我はひた登りに登る。
わが世の力となるは
後ろより苛《さいな》む苦痛なり。
われは愧《は》づ、
静かなる日送りを。
そは怠惰と不純とを編める
灰色の大網《おほあみ》にして、
黄金《わうごん》の時を
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