のみかは、
うるはしく匂へる色は
やがて其の豊かに開く
新しきみこころの花。

教へ子のわが少女たち、
この花をいざ受けたまへ。
この花にその自《みづか》らの
幸ひを眺めたまへよ。

いとよくも修めたまひき。
つつましく優しきなさけ。
明るくも敏きその智慧
創造の妙《たへ》なる力。

君たちの行手の道は
ほがらかに春の日照らん。
荒き風よしや吹くとも、
少女子の花はとこしへ。

かく云へど、永き年月《としつき》
相馴れし親のこころに、
別れをば惜む涙の
つと流る、如何にとどめん。

いざさらば我が少女たち、
この花のごとくにいませ
若やかに光りていませ
この花をいざ受けたまへ。


  鵞鳥の坊や

ねんねんよ、ねんねんよ、
雨が降るからねんねんよ、
鳥舎《とりや》の鵞鳥もねんねした。

ねんねんよ、ねんねんよ、
鵞鳥の坊やのおめざには、
ちいしやの葉《は》つ葉《ぱ》を摘んでやろ。

ねんねんよ、ねんねんよ、
内《ううち》の坊やのおめざには、
ああかいお日様上げませう。

ねんねんよ、ねんねんよ、
梅雨《つうゆ》のおあめも寝ておくれ、
いゝ子の坊やはねんねした。
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 昭
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