女子の独立自営
与謝野晶子

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)嫌《きらい》がありました

|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)共通の点|即《すなわ》ち

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、底本のページと行数)
(例)※[#「手扁+僉」、第3水準1−84−94、63−13]
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 人の性情にも体質にも万人共通の点|即《すなわ》ち類性と、個人独得の点即ち個性とがあります。前代の社会心理の公準は類性のみを見て人の全部だと誤解した嫌《きらい》がありました。似た所ばかりを集めて一つの型を空に作り、その型を標準として逆に一般の人間を律しようと致し、殆《ほとん》ど人の個性というものを眼中に置いていませなんだ。例えば初めから男というものはこういうものだ、女というものはこういうものだと決めてしまい、その「こういうものだ」という概念を土台にして更に男とはこうすべきものだ、女とはこうすべきものだという規範を立てて一概に万人を律し、その規範に合わない人は人間でないように軽蔑《けいべつ
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