なら、どんなに私たちの生活が安全になることでしょう。
愛と経済との世界的協同さえ主として成立すれば、その他の学問、芸術、科学等は固《もと》より人類的なものですから、特に世界的協同を主張しなくても、今日よりも一層人類生活の共通な幸福の動力となることは明白です。国民生活が偏重されている今日ではすべてが国家に隷属する不公平な状態となり、世界人類的なるべき愛が一国民の間、もしくは同盟国民の間にのみ限局せられて、国家の名の下に英国人は独逸人と憎み合い、終《つい》に戦争を開くような野蛮な光景を呈します。経済においても、国家が軍備拡張や戦争行為にそれを濫用して、かえって世界人類の幸福を破壊する動力となり、また学問科学も国家と国家との軍事的施設に悪用せられ、学者までも国家の奴隷として戦争を弁護し助長するような倒錯的陋態を誘致し、芸術も仏蘭西や白耳義《ベルギー》の名高い大寺の建物のように、国家と国家の狂暴な戦争行為のために凌辱の憂目《うきめ》を見る外はありません。
以上述べたような、人類生活の内容として最も幸福な共通の標準として世界の連帯協同生活を建設することが出来れば、人は最も健全にして最も雄大な
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