拊掌談
芥川龍之介
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)夏目《なつめ》先生
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)死刑の時|絞首台《かうしゆだい》迄
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から1字上げ](大正十五年二月)
−−
名士と家
夏目《なつめ》先生の家が売られると云ふ。ああ云ふ大きな家は保存するのに困る。
書斎《しよさい》は二間《ふたま》だけよりないのだから、あの家と切り離して保存する事も出来ない事はないが、兎《と》に角《かく》相当な人程小さい家に住むとか、或は離れの様な所に住んでゐる方が、あとで保存する場合など始末《しまつ》がよい。
帽子を追つかける
道を歩いてゐる時、ふいに風が吹いて帽子《ばうし》が飛ぶ。自分の周囲の凡《すべ》てに対して意識的になつて帽子を追つかける。だから中々帽子は手に這入《はい》らない。
他の一人《ひとり》は帽子が飛ぶと同時に飛んだ帽子の事だけ考へて、夢中になつてその後《あと》を追ふ。自転車にぶつかる。自動車に轢《ひ》かれかかる。荷馬車《にばしや》
次へ
全6ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
芥川 竜之介 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング