僕は
芥川龍之介

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)彼是《かれこれ》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)自己|嫌悪《けんを》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]
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[#ここから4字下げ]
誰でもわたしのやうだらうか?――ジュウル・ルナアル
[#ここで字下げ終わり]

 僕は屈辱を受けた時、なぜか急には不快にはならぬ。が、彼是《かれこれ》一時間ほどすると、だんだん不快になるのを常としてゐる。
     ×
 僕はロダンのウゴリノ伯を見た時、――或はウゴリノ伯の写真を見た時、忽ち男色《だんしよく》を思ひ出した。
     ×
 僕は樹木《じゆもく》を眺める時、何か我々人間のやうに前後《まへうし》ろのあるやうに思はれてならぬ。
     ×
 僕は時々暴君になつて大勢《おほぜい》の男女《なんによ》を獅子《しし》や虎に食はせて見たいと思ふことがある。が、膿盆《のうぼん》の中に落ちた血だら
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