》することを考へれば、温帯の男子《なんし》の三十にして頭の禿《は》げるのは当り前である。のみならず「早熟にして晩老」などと云ふ、都合《つがふ》の好《い》いことは滅多《めつた》にはない。僕は無遠慮《ぶゑんりよ》に堀君の早熟することを祈るものである。「悪の華《はな》」の成つたのは作者の二十五歳(?)の時だつた。年少高科に登るのは老大低科に居《を》るのよりも好《よ》い。晩老する工夫《くふう》などは後《あと》にし給へ。
3
この後《あと》は誰を書いても善《よ》い。又誰を書かないでも善い。すると書かずにゐるほど気楽であるから、「3」と書いただけでやめることにした。
[#地から1字上げ](昭和二年五月)
底本:「筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻」筑摩書房
1971(昭和46)年6月5日初版第1刷発行
1979(昭和54)年4月10日初版第11刷発行
入力:土屋隆
校正:松永正敏
2007年6月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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