本所両国
芥川龍之介

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)大溝《おほどぶ》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)比較的|大勢《おほぜい》住んでゐた

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)薄甘《うすあま》い※[#「均のつくり」、第3水準1−14−75]ひを

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)じめ/\した
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     「大溝《おほどぶ》」

 僕は本所界隈《ほんじよかいわい》のことをスケツチしろといふ社命を受け、同じ社のO君と一しよに久振《ひさしぶ》りに本所へ出かけて行つた。今その印象記を書くのに当り、本所両国《ほんじよりやうごく》と題したのは或は意味を成してゐないかも知れない。しかしなぜか両国は本所区のうちにあるものの、本所以外の土地の空気も漂《ただよ》つてゐることは確かである。そこでO君とも相談の上、ちよつと電車の方向板《はうかうばん》じみた本所両国といふ題を用ひることにした。――
 僕は生れてか
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