を》の句碑《くひ》あり。「馬をさへながむる雪のあしたかな」の句を刻す。これは甲子吟行《かつしぎんかう》中の句なれば、名古屋あたりの作なるべし。それを何ゆゑに刻したるにや。因《ちなみ》に言ふ、追分《おひわけ》には「吹き飛ばす石は浅間《あさま》の野分《のわき》かな」の句碑あるよし。
八、軽井沢の或|骨董屋《こつとうや》の英語、――「ジス・キリノ(桐の)・ボツクス・イズ・ベリイ・ナイス。」
九、室生犀星《むろふさいせい》、碓氷《うすひ》山上よりつらなる妙義《めうぎ》の崔嵬《さいくわい》たるを望んで曰《いはく》、「妙義山《めいぎさん》と言ふ山は生姜《しやうが》に似てゐるね。」
十、十項だけ書かんと思ひしも熱出でてペンを続けること能《あた》はず。
[#地から1字上げ](大正十四年十月)
底本:「筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻」筑摩書房
1971(昭和46)年6月5日初版第1刷発行
1979(昭和54)年4月10日初版第11刷発行
入力:土屋隆
校正:松永正敏
2007年6月26日作成
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