病牀雑記
芥川龍之介

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)滝井《たきゐ》君

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)病中|閑《かん》なる

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「勹<夕」、第3水準1−14−76]※[#「勹<夕」、第3水準1−14−76]《そうそう》
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 一、病中|閑《かん》なるを幸ひ、諸雑誌の小説を十五篇ばかり読む。滝井《たきゐ》君の「ゲテモノ」同君の作中にても一頭地《いつとうち》を抜ける出来|栄《ば》えなり。親父《おやぢ》にも、倅《せがれ》にも、風景にも、朴《ぼく》にして雅《が》を破らざること、もろこしの餅《もち》の如き味はひありと言ふべし。その手際《てぎは》の鮮《あざや》かなるは恐らくは九月小説中の第一ならん乎《か》。
 二、里見《さとみ》君の「蚊遣《かや》り」も亦《また》十月小説中の白眉《はくび》なり。唯|聊《いささ》か末段《まつだん》に至つて落筆|※[#「勹<夕」、第3水準1−14−76]※[#「勹<夕」、第
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