わ》は白く、春風《しゆんぷう》殆《ほとん》ど面《おもて》を吹くが如し。偶《たまたま》路傍の大石《たいせき》に一匹の蝿《はへ》のとまれるあり。我家の庭に蝿を見るは毎年五月初旬なるを思ひ、茫然《ばうぜん》とこの蝿を見守《みまも》ること多時、僕の病体、五月に至らば果して旧に復するや否や。
[#地から1字上げ](大正十五年二月―三月)
底本:「筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻」筑摩書房
1971(昭和46)年6月5日初版第1刷発行
1979(昭和54)年4月10日初版第11刷発行
入力:土屋隆
校正:松永正敏
2007年6月26日作成
青空文庫作成ファイル:
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