文放古
芥川龍之介
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)文放古《ふみほご》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)時々|親戚《しんせき》などから
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「言+虚」、第4水準2−88−74]
−−
これは日比谷公園のベンチの下に落ちていた西洋紙に何枚かの文放古《ふみほご》である。わたしはこの文放古を拾った時、わたし自身のポケットから落ちたものとばかり思っていた。が、後《のち》に出して見ると、誰か若い女へよこした、やはり誰か若い女の手紙だったことを発見した。わたしのこう云う文放古に好奇心を感じたのは勿論《もちろん》である。のみならず偶然目についた箇所は余人は知らずわたし自身には見逃しのならぬ一行《いちぎょう》だった。――
「芥川龍之介と来た日には大莫迦《おおばか》だわ。」!
わたしはある批評家の云ったように、わたしの「作家的完成を棒にふるほど懐疑的《かいぎてき》」である。就中《なかんずく》わたし自身の愚に
次へ
全11ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
芥川 竜之介 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング