文芸的な、余りに文芸的な
芥川龍之介

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)若《も》し厳密に云ふとすれば

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)勿論|唯《ただ》身辺雑事を

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「弓+椁のつくり」、第3水準1−84−22]

〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔Du:ntzer〕 等の理想主義者たちは
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
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     一 「話」らしい話のない小説

 僕は「話」らしい話のない小説を最上のものとは思つてゐない。従つて「話」らしい話のない小説ばかり書けとも言はない。第一僕の小説も大抵は「話」を持つてゐる。デツサンのない画は成り立たない。それと丁度同じやうに小説は「話」の上に立つものである。(僕の「話」と云ふ意味は単に「物語」と云ふ意味ではない。)若《も》し
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