俳画展覧会を観て
芥川龍之介
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)下村為山《しもむらゐざん》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)二三点|既《すで》に
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から1字上げ](大正七年十一月)
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俳画展覧会へ行つて見たら、先づ下村為山《しもむらゐざん》さんの半折《はんせつ》が、皆うまいので驚いた。が、実を云ふと、うまい以上に高いのでも驚いた。尤《もつと》もこれは為山《ゐざん》さんばかりぢやない。諸先生の俳画に対して、皆多少は驚いたのである。かう云ふと、諸先生の画《ゑ》を軽蔑《けいべつ》するやうに聞えるかも知れないが、決してさう云ふつもりぢやない。それより寧《むし》ろ、頭のどこかに俳画と云ふものと、値段の安いと云ふ事とを結びつけるものが、予《あらかじ》め存在したと云つた方が適当である。
但し中には画そのものがくだらなくつて、しかも頗《すこぶ》る高価なものも全くなかつた訣《わけ》じやない。が、あれは余りまづすぎるので、人に買はれると、醜《しう》を後世に残すから、わざと誰も買はな
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