念仁波念遠入礼帖
芥川龍之介

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)燕雀生《えんじやくせい》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)衆人|熙々《きき》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)礼※[#「門<韋」、第4水準2−91−59]《れいい》
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 燕雀生《えんじやくせい》といふ人、「文芸春秋」三月号に泥古残念帖《でいこざんねんちやう》と言ふものを寄せたり。この帖を見るに我等の首肯《しゆこう》し難き事二三あれば、左にその二三を記し、燕雀生の下問を仰がん。
(一)春台《しゆんだい》の語、老子に出でたりとは聞えたり。老子に「衆人|熙々《きき》。如享太牢《たいらうをうけるがごとし》。如登春台《しゆんだいにのぼるがごとし》」とあるは疑ひなし。然れども春台を「天子が侍姫に戯《たはむ》るる処」とするは何の出典に依るか。愚考によれば春台は礼部の異名なり。礼部は春台の外《ほか》にも容台とも言ひ、南省とも言ひ、礼※[#「門<韋」、第4水準2−91−59]《れ
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