二人の友
芥川龍之介
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)福間《ふくま》先生
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)又|丁度《ちやうど》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「亡+おおざと」、第3水準1−92−61]
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僕は一高へはひつた時、福間《ふくま》先生に独逸《ドイツ》語を学んだ。福間先生は鴎外《おうぐわい》先生の「二人《ふたり》の友」の中のF君である。「二人の友」は当時はまだ活字になつてはいなかつたであらう。少くとも僕などのそんなことを全然知らなかつたのは確かである。
福間先生は常人よりも寧《むし》ろ背《せい》は低かつたであらう。何《なん》でも金縁《きんぶち》の近眼鏡《きんがんきやう》をかけ、可成《かなり》長い口髭《くちひげ》を蓄《たくは》へてゐられたやうに覚えてゐる。
僕等は皆福間先生に或親しみを抱《いだ》いてゐた。それは先生も青年のやうに諧謔《かいぎやく》を好んでゐられたからである。先生は一学期の或時間に久米正雄
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