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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)梯子《はしご》か何かに
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)時|冬青《もち》の木の下に
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)白※[#「皙」の「白」に代えて「日」、第3水準1−85−31]《はくせき》
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一 埃
僕の記憶の始まりは数え年の四つの時のことである。と言ってもたいした記憶ではない。ただ広さんという大工が一人、梯子《はしご》か何かに乗ったまま玄能で天井を叩《たた》いている、天井からはぱっぱっと埃《ほこり》が出る――そんな光景を覚えているのである。
これは江戸の昔から祖父や父の住んでいた古家を毀《こわ》した時のことである。僕は数え年の四つの秋、新しい家に住むようになった。したがって古家を毀したのは遅《おそ》くもその年の春だったであろう。
二 位牌
僕の家《うち》の仏壇には祖父母の位牌《いはい》や叔父《おじ》の位牌の前に大きい位牌が一つあった。それは天保《てんぽう》何
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