人及び芸術家としての薄田泣菫氏
薄田泣菫氏及び同令夫人に献ず
芥川龍之介

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)苟《いやし》くも
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      序文

 人及び詩人としての薄田泣菫氏を論じたものは予の著述を以て嚆矢とするであらう。只不幸にも「サンデイ毎日」の紙面の制限を受ける為に多少の省略を加へたのは頗る遺――序文以下省略。

      第一部 人としての薄田泣菫氏

        一 薄田泣菫氏の伝記

「泣菫詩集」の巻末の「詩集の後に」の示してゐる通り、薄田泣菫氏は備中の国の人である。試みに備中の国の地図を開いて見れば――一以下省略。

        二 薄田泣菫氏の性行

 薄田泣菫氏の「茶話」は如何に薄田氏の諧謔に富み、皮肉に長じてゐるかを語つてゐる。この天成の諷刺家に一篇の諷刺詩もなかつたのは殆ど奇蹟と言は――二以下省略。

        三 薄田泣菫氏の風采

 薄田泣菫氏は希臘の神々のやうに常に若い顔をしてゐる。けれども若い顔をして一代の詩人になつてゐることは勿論不似合と言はなければならぬ。「泣菫詩集」の巻頭に著者の肖像の掲げてない
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