秋山図
芥川龍之介

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)黄大癡《こうたいち》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)大癡老人|黄公望《こうこうぼう》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「りっしんべん+軍」、第4水準2−12−56]
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「――黄大癡《こうたいち》といえば、大癡の秋山図《しゅうざんず》をご覧《らん》になったことがありますか?」
 ある秋の夜《よ》、甌香閣《おうこうかく》を訪《たず》ねた王石谷《おうせきこく》は、主人の※[#「りっしんべん+軍」、第4水準2−12−56]南田《うんなんでん》と茶を啜《すす》りながら、話のついでにこんな問を発した。
「いや、見たことはありません。あなたはご覧になったのですか?」
 大癡老人|黄公望《こうこうぼう》は、梅道人《ばいどうじん》や黄鶴山樵《こうかくさんしょう》とともに、元朝《げんちょう》の画《え》の神手《しんしゅ》である。※[#「りっしんべん+軍」、第4水準2−12−56]南田は
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