雑筆
芥川龍之介

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)竹田《ちくでん》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)男|仏頂面《ぶつちやうづら》を

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「均のつくり」、第3水準1−14−75]《にほひ》
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     竹田《ちくでん》

 竹田《ちくでん》は善《よ》き人なり。ロオランなどの評価を学べば、善き画描《ゑか》き以上の人なり。世にあらば知りたき画描き、大雅《たいが》を除けばこの人だと思ふ。友だち同志なれど、山陽《さんやう》の才子ぶりたるは、竹田より遙に品《しな》下《くだ》れり。山陽が長崎に遊びし時、狭斜《けふしや》の遊《いう》あるを疑はれしとて、「家有縞衣待吾返《いへにかういありわがかへるをまつ》、孤衾如水已三年《こきんみづのごとくすでにさんねん》」など云へる詩を作りしは、聊《いささか》眉に唾すべきものなれど、竹田《ちくでん》が同じく長崎より、「不上酒閣《しゆかくにのぼらず》 不買歌鬟償《かくわんを
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