リチヤアド・バアトン訳「一千一夜物語」に就いて
芥川龍之介

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)一千一夜《いつせんいちや》物語

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)大体|下《しも》の

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから2字下げ]

〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔Franc,ois Vilon〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
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     一

 リチヤアド・バアトン(Richard Burton)の訳した「一千一夜《いつせんいちや》物語」――アラビヤン・ナイツは、今日《こんにち》まで出てゐる英訳中で先づ一番完全に近いものであるとせられてゐる。勿論、バアトン以前に出た訳本も数《かず》あつて、一々挙げる遑《いとま》も無い程《ほど》であるが、先づ「一千一夜物語」を欧羅巴《ヨオロツパ》に紹介した最初の訳本は一七〇四年に出たアントアン・ガラン(Antoine Galland)教
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