わが家の古玩
芥川龍之介

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)蓬平作《ほうへいさく》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)父|龍池作《りゆうちさく》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から1字上げ](昭和二年)
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 蓬平作《ほうへいさく》墨蘭図《ぼくらんづ》一幀《いつたう》、司馬江漢作《しばかうかんさく》秋果図《しうくわづ》一幀、仙?作《せんがいさく》鐘鬼図《しようきづ》一幀、愛石《あいせき》の柳陰呼渡図《りういんことづ》一幀、巣兆《さうてう》、樗良《ちよら》、蜀山《しよくさん》、素檗《そばく》、乙二等《おつじら》の自詠を書せるもの各一幀、高泉《かうせん》、慧林《ゑりん》、天祐等《てんいうら》の書各一幀、――わが家《や》の蔵幅《ざうふく》はこの数幀のみなり。他にわが伯母の嫁《とつ》げる狩野勝玉作《かのうしようぎよくさく》小楠公図《せうなんこうづ》一幀、わが養母の父なる香以《かうい》の父|龍池作《りゆうちさく》福禄寿図《ふくろくじゆづ》一幀|等《とう》あれども、こはわが一族を想《おも》ふ為に稀《まれ》に壁
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