はるか空のかなたを見た
猫がゐる――人人は空のひととこを指した
黒い猫がゐる―人人が集まつた そして月を指した

娘らの泣くこゑはさびしく響いた
やさしい娘らの泣くこゑがなまめかしい衣裳につつまれて 夜鳥のやうに吹かれて消えていつた



底本:「尾形亀之助詩集」現代詩文庫、思潮社
   1975(昭和50)年6月10日初版第1刷
   1980(昭和55)年10月1日第3刷
入力:高柳典子
校正:泉井小太郎
2001年10月10日公開
青空文庫作成ファイル:
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