#「え」に「ママ」注記]なれば直ぐにも初まるのです

 ベルをならすのは誰れです
 ××

夜の花をもつ少女の登場で
私は山高をかるくかぶつて相手役です

少女は静かに私に歩み寄ります
そして

そつと私の肩に手をかける少女と共に
私は眠り――かけるのです

そして次第に夜の花の数がましてくる


九月の詩

昼寝

かうばしい本のにほひ

おばけが鏡をのぞいてゐた


黄色の袋の中

闇み[#「み」に「ママ」注記]を
小い[#「い」に「ママ」注記]さい黄色の袋の中に畜[#「畜」に「ママ」注記]つた
そして
よく親しんでみると
かすかな温[#「温」に「ママ」注記]くみをためてひつそりとしてゐます

この不透明なくろい生きものは
小い[#「い」に「ママ」注記]さい黄色の袋の中に腰をかけて
煙りをいつぱいにして
煙草をのんでゐることがあるのです


雨 雨

DORADORADO――
TI−TATATA−TA
TI−TOTOTO−TO
DORADORADO

TI−TOTOTO−TO
DORADORADO――
雨は
ガラスの花

雨は
いちんち眼鏡をかけて


年のくれの街

街は夕方ちか
前へ 次へ
全31ページ中25ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
尾形 亀之助 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング