れから鉄のは足首へなどといふ法律を定めたりもするのでした。又時計の定価をそれぞれ大きさや金属によつてきめなければならない重要な役もあるのですから時計会社の重い役にも就いてゐなければなりませんでした。紙屑大臣といふのは、主として紙屑やさんの取締りが役目なのです。が自分で屑拾ひに出ることもあるのです。このほかに「鼻糞大臣」これは鼻糞を乱棒に取つては衛生的でないといふので出来た大臣ですが、このほか色々の大臣がゐるのでした。つまらない大臣もあつたもんだと思ふでせうが、「紙屑大臣」だつて「鼻糞大臣」だつて高い位であるばかりではなく、金があつてもつてがなければなれないし、つてだけあつても金がなければどうにもならないのですから、なりたいと思ひながらなれずにゐるうちに死んでしまう人達だつてたくさんにゐたわけです。こんな風にして、王様自身ですることがなくなつてしまひましたが、王様がなければ大臣もないわけなのですからそこはぬけ目のない人達は、よつてたかつて王様は人ではなく、神様だといふことにしてしまひました。大臣達は、自分の思ふまゝの世の中をつくり上げると、今度はそれを保護しなければならない立場になりまし
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