しても危険であるから金の部をとりはずせるようにするか、あるいは滑降には用いないようにせねばならない。
 それから人夫の中に雪の山を歩かないものがくる時は、手袋その他の注意をせねばならぬ。色眼鏡も余分にもって行き、万事に注意しないと、一人の故障のために思わぬことができる。猟師なら大丈夫であるが、金カンジキなどをわざと持って行かずに危険なところをさけることもあるから、頂上を極めようとする際には、それも確かめる必要がある。
 靴はネイルドされたものがいいようだ。
 自分は大変幼稚な記事を書いた。早くあの辺の雪中の登山が進歩して、こんな記事がふみにじられるといい。
[#地から1字上げ](大正十年六月)



底本:「山と雪の日記」中公文庫、中央公論社
   1977(昭和52)年4月10日初版
   1992(平成4)年12月15日6版
底本の親本:「山と雪の日記」梓書房
   1930(昭和5)年3月
入力:林 幸雄
校正:土屋 隆
2001年11月15日公開
2005年11月24日修正
青空文庫作成ファイル:
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