常に時間を要する。私は小槍の標高より少し上まで行ったが、それで考えると登り二時間は大丈夫かかると思う。
肩から上下五時間をとっておく必要がある。各自がアックスを持っていなくてはいけない。アイスクリーパーは外国製のものでなければ安心はできない。夏の雪渓に用いるものなら無い方がよかろう。金のような氷に、足駄をはいて歩くようなものだ。下るのに時間もかかるが、ロープを使用しなくてはならない。今年ももう肩に下りるところで一人滑ったが幸いに杖で止った。岩と氷と雪の好きな人は相当に面白いクライミングができるが、命は保証できない。肩から小舎までは、スキーなれば二十分をとっておけば大丈夫である。しかしこれはころぶ時間は入っていない。カンジキで一時間ぐらいであろう。
これから以下気づいたことを書いておく。
雪崩。一昨年は三月二十日ごろから入ったが、少しも雪崩れていなかった。今年は約二十日遅れて入って見たら、すべての谷が雪崩れた後であった。年によって違うであろうが三月中に入る方が安全である。
グルンドラヴィーネに会ったら一たまりもない。そして雪崩の季節に入ると荒れた翌日の好天気は危険であるし、雨降り
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