らい》しながら、それからは無事に家に帰ったが、如何《いか》にも、この家《うち》というのは不思議な所で、後《のち》に近所で聞いてみると、怪物《ばけもの》屋敷という評判で、人が決して住《すま》まわないとの事だった、その怪物《ばけもの》の出る理由に就《つい》ては、人々のいうところが皆|異《ちが》っているので取止《とりと》めもなく、解らなかったが、その後《のち》にも、また他《ほか》の書生がこんな事に出会ったりなどして、如何《いか》にも気味が悪《わ》るかったから、安値《やす》くってよかったが、とうとう御免|蒙《こうむ》ったのであった。



底本:「文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会」ちくま文庫、筑摩書房
   2007(平成19)年7月10日第1刷発行
底本の親本:「怪談会」柏舎書楼
   1909(明治42)年発行
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2008年9月25日作成
青空文庫作成ファイル:
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