白雪姫
グリム
菊池寛訳

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)女王《じょおう》さま

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)三|滴《てき》の

[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
(例)こくたん[#「こくたん」に傍点]
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 むかしむかし、冬のさなかのことでした。雪が、鳥の羽のように、ヒラヒラと天からふっていましたときに、ひとりの女王《じょおう》さまが、こくたん[#「こくたん」に傍点]のわくのはまった窓《まど》のところにすわって、ぬいものをしておいでになりました。女王さまは、ぬいものをしながら、雪をながめておいでになりましたが、チクリとゆびを針《はり》でおさしになりました。すると、雪のつもった中に、ポタポタポタと三|滴《てき》の血《ち》がおちました。まっ白い雪の中で、そのまっ赤な血《ち》の色が、たいへんきれいに見えたものですから、女王さまはひとりで、こんなことをお考えになりました。
「どうかして、わたしは、雪のようにからだが白く、血のように赤いうつくしいほっぺたをもち、このこくたん[#「こくたん」に傍点]のわくのように黒い髪《
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