かみ》をした子がほしいものだ。」と。
それから、すこしたちまして、女王さまは、ひとりのお姫《ひめ》さまをおうみになりましたが、そのお姫さまは色が雪のように白く、ほおは血のように赤く、髪の毛はこくたん[#「こくたん」に傍点]のように黒くつやがありました。それで、名も白雪姫《しらゆきひめ》とおつけになりました。けれども、女王さまは、このお姫さまがおうまれになりますと、すぐおなくなりになりました。
一年以上たちますと、王さまはあとがわりの女王さまをおもらいになりました。その女王さまはうつくしいかたでしたが、たいへんうぬぼれが強く、わがままなかたで、じぶんよりもほかの人がすこしでもうつくしいと、じっとしてはいられないかたでありました。ところが、この女王さまは、まえから一つのふしぎな鏡《かがみ》を持っておいでになりました。その鏡をごらんになるときは、いつでも、こうおっしゃるのでした。
[#ここから1字下げ]
「鏡《かがみ》や、鏡、壁《かべ》にかかっている鏡よ。
国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」
[#ここで字下げ終わり]
すると、鏡はいつもこう答えていました。
[#
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