く》をぬった櫛《くし》をこしらえました。それから、女王さまは、みなりをかえ、まえとはべつなおばあさんのすがたになって、七つの山をこえ、七人の小人のところにいって、トントンと戸をたたいて、いいました。
「よい品物《しなもの》がありますが、お買いになりませんか。」
白雪姫は、中からちょっと顔をだして、
「さあ、あっちにいってちょうだい。だれも、ここにいれないことになっているんですから。」
「でも、見るだけなら、かまわないでしょう。」
おばあさんはそういって、毒《どく》のついている櫛《くし》を、箱《はこ》から取りだし、手のひらにのせて高くさしあげてみせました。ところが、その櫛がばかに、白雪姫のお気にいりましたので、その方に気をとられて、思わず戸をあけてしまいました。そして、櫛を買うことがきまったときに、おばあさんは、
「では、わたしが、ひとつ、いいぐあいに髪《かみ》をといてあげましょう。」といいました。
かわいそうな白雪姫は、なんの気なしに、おばあさんのいうとおりにさせました。ところが、櫛《くし》の歯《は》が髪の毛のあいだにはいるかはいらないうちに、おそろしい毒が、姫の頭《あたま》にし
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