にに答えました。
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「女王さま、ここでは、あなたがいちばんうつくしい。
けれども、いくつも山こした、
七人の小人の家にいる白雪姫は、
まだ千ばいもうつくしい。」
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女王さまは、鏡《かがみ》が、こういったのをきいたとき、あまりの腹《はら》だちに、からだじゅうをブルブルとふるわしてくやしがりました。
「白雪姫のやつ、どうしたって、ころさないではおくものか。たとえ、わたしの命がなくなっても、そうしてやるのだ。」と、大きな声でいいました。それからすぐ、女王さまは、まだだれもはいったことのない、はなれたひみつのへやにいって、そこで、毒《どく》の上に毒をぬった一つのリンゴをこさえました。そのリンゴは、見かけはいかにもうつくしくて、白いところに赤みをもっていて、一目見ると、だれでもかじりつきたくなるようにしてありました。けれども、その一きれでもたべようものなら、それこそ、たちどころに死んでしまうという、おそろしいリンゴでした。
さて、リンゴが、すっかりできあがりますと、顔を黒くぬって、百|姓《しょう》のおかみさんのふうをして、七つの山をこして、七人の小人《こびと》の家へいきました。そして、戸をトントンとたたきますと、白雪姫が、窓《まど》から頭《あたま》をだして、
「七人の小人が、いけないといいましたから、わたしは、だれも中にいれるわけにはいきません。」といいました。
「いいえ、はいらなくてもいいんですよ。わたしはね、いまリンゴをすててしまおうかと思っているところなので、おまえさんにも、ひとつあげようかと思ってね。」と、百|姓《しょう》の女はいいました。
「いいえ、わたしはどんなものでも、人からもらってはいけないのよ。」と、白雪姫はことわりました。
「おまえさんは、毒《どく》でもはいっていると思いなさるのかね。まあ、ごらんなさい。このとおり、二つに切って、半分はわたしがたべましょう。よくうれた赤い方を、おまえさんおあがりなさい。」といいました。
そのリンゴは、たいへんじょうずに、こしらえてありまして、赤い方のがわだけに、毒《どく》がはいっていました。白雪姫は、百姓のおかみさんが、さもうまそうにたべているのを見ますと、そのきれいなリンゴがほしくてたまらなくなりました。それで、ついなんの気なしに手をだして、毒《どく》のはいっている方の半分を受けとってしまいました。けれども、一かじり口にいれるかいれないうちに、バッタリとたおれ、そのまま息がたえてしまいました。すると、女王さまは、そのようすをおそろしい目つきでながめて、さもうれしそうに、大きな声で笑いながら、
「雪のように白く、血《ち》のように赤く、こくたん[#「こくたん」に傍点]のように黒いやつ、こんどこそは、小人《こびと》たちだって、助けることはできまい。」といいました。そして、大いそぎで家にかえりますと、まず鏡《かがみ》のところにかけつけてたずねました。
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「鏡や、鏡、壁《かべ》にかかっている鏡よ。
国じゅうで、だれがいちばんうつくしいか、いっておくれ。」
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すると、とうとう鏡が答えました。
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「女王さま、お国でいちばん、あなたがうつくしい。」
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これで、女王さまの、ねたみぶかい心も、やっとしずめることができて、ほんとうにおちついた気もちになりました。
ゆうがたになって、小人たちは、家にかえってきましたが、さあたいへん、こんども、また白雪姫が、地べたにころがって、たおれているではありませんか。びっくりして、かけよってみれば、もう姫の口からは息一つすらしていません。かわいそうに死んで、もうひえきってしまっているのでした。小人たちは、お姫さまを、高いところにはこんでいって、なにか毒《どく》になるものはありはしないかと、さがしてみたり、ひもをといたり、髪《かみ》の毛をすいたり、水や、お酒で、よくあらってみたりしましたが、なんの役にもたちませんでした。みんなでかわいがっていたこどもは、こうしてほんとうに死んでしまって、ふたたび生きかえりませんでした。
小人たちは、白雪姫のからだを、一つの棺《かん》の上にのせました。そして、七人の者が、のこらずそのまわりにすわって、三日三晩泣きくらしました。それから、姫をうずめようと思いましたが、なにしろ姫はまだ生きていたそのままで、いきいきと顔色も赤く、かわいらしく、きれいなものですから、小人たちは、
「まあ見ろよ。これを、あのまっ黒い土の中に、うめることなんかできるものか。」そういって、外から中が見られるガラスの棺《かん》をつくり、その中に姫のからだをねかせ、その上に金文字《きんもじ》で白雪姫という名を書き、
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