の伯母さんだもんだから、ちょっと当人くらいは見ておかないと、ウルサイんでね。」
「じゃその方とは会ったことないの?」
「もちろん……」
「それなら、かんにんしてあげるわねえ、逸郎さん、とてもニュースがあるの。降りてから話すわ。」
銀座の電車道で、自動車が止まった。
五
資生堂で買物をすませると、その向い側の喫茶部で、夫人はボックスで、木賀とさし向いになった。
「さっきいったニュースって、何ですか。誰のニュースですか。」
「今夜聞きたてなんだけれど……誰のことだと思う?」
「分りませんよ。そんなこといったって!」
「ほら、この夏、貴君が軽井沢に見えたとき、南條って、家庭教師がいたでしょう!」
「ええ、南條さん!」木賀は、ちょっとその名前をなつかしそうに、くり返した。
「あの女が、銀座のバーに出ているんですって!」
「女給にですか?」
「カウンターという説もあるけれど、おなじことじゃない、どうせ。」
「だって、あの人……そんなタイプの人じゃないけれど……何か急激な変化があったんですね……」と、木賀は実に意外に思いながら、軽井沢で見た、清々《すがすが》しい、しかし澄ん
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