なた》が、今まで僕に示して下さつたいろ/\な愛の表情に、たゞ裏書をさへして下さればいゝのです。貴女の将来のお心を訊いてゐるのではないのです。現在の、貴女のお心を訊いてゐるのです。現在の、貴女自身のお心が、貴女に分らない筈はないと思ふのです。たゞ、現在の貴女のお心をハツキリお返事して下さればいゝのです。将来、結婚と云ふ問題が貴女のお考への裡に起つたときには、僕を夫として選ばうと現在思つてゐるかどうかを訊かしていたゞきたいのです。」
青年の問には、ハツキリとした条理が立つてゐた。詭弁を弄しがちな瑠璃子にも、もう云ひ逃れる術は、ないやうに見えた。
「妾《わたし》、貴君《あなた》を愛してゐることは愛してゐるわ。妾《わたし》が、此間中から云つてゐることは、決して嘘ではないわ。が、貴君を愛してゐると云ふことは、必ずしも貴君と結婚したいと云ふことを意味してゐないわ。けれど、貴君に、結婚したいと云ふ希望が、本当におありになるのなら、妾《わたし》は又別に考へて見たいと思ふの。」
瑠璃子の、少しも熱しない返事を訊くと、青年は又激してしまつた。
「考へて見るなんて、貴女のさう云ふお返事はもう沢山です。『
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