ないから、『妖女《フェアリイ》じゃアないプリンセス』にしたの。」
すると[#「すると」は底本では「す と」]、ノラはいいました。
「あの、あの子のお父様がダイヤモンド鉱山のために、お金をすっかりお友達にあげてしまったって話は、ほんとなの? そして、そのお友達は、そのお金をすっかり失くしたと思ったので、自分は泥棒のようなものだと思って、逃げ出したのですって?」
ジャネットは急いで、
「でも、その方は、泥棒でも何でもなかったのよ。」といいました。
印度紳士は、つとジャネットの手を取りました。
「まったく、そうじゃアなかったのだよ。」
「私、その方がお気の毒でならないの。」と、ジャネットはいいました。「その方は、お金を失くすつもりなんかなかったのよ。そんなことになって、どんなに胸を痛めたでしょう。きっと、お苦しみになったでしょうね。」
すると、印度紳士はジャネットの手を、ひしと握りしめて、いいました。
「あなたは、何でもわかる若い御婦人だね。」
「姉さん、カリスフォド小父さんに、あの話をした?」と、ドウナルドが大きな声を立てました。「あの『乞食じゃアない小さな女の子』の話をさ。あの子
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