うよ。」とラヴィニアは、とげとげしくいいました。「そんな眼で見ると、あの子がいい気になるからおよしなさいよ。莫迦ね。」
 ふいに、ミンチン先生が太い声でいいました。
「セエラさん、ここへ来てお坐んなさい。」
 で、セエラは昔坐っていた名誉の席につき、俯向いて本を読み始めました。
 セエラはその夜、部屋に帰って、ベッキイと夕飯をすますと、永いこと炉の火を見詰めて黙っていました。
「お嬢さん、何かお話を作ってらっしゃるの?」
「いいえ、私、どうすればいいのだろうと考えているの。私あの方のことを考えずにはいられないのよ。でも、あの方は何にも知られたくないのかもしれないでしょう。そんなら、あの方がどんな方だか探り出したりしちゃア、失礼になるでしょう。でも私、どんなにあの方をありがたく思ってるか――どんなに幸福《しあわせ》にしていただけたか、ということを、あの方に申し上げたくてならないの。親切な人ってものは、お礼はいわれたくなくても、幸福《しあわせ》になったかどうかは、知りたいものよ。私、私、ほんとに――」
 いいかけてセエラは、ふとテエブルの上の文房具箱に眼をとめました。紙や、封筒や、インクや
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