一度口ごもってからいいました。「あの、お嬢さん、これみんな、融《と》けてってしまうんじゃアない? 早く片付けてしまった方がよくはない?」ベッキイは急いでサンドウィッチをほおばりました。
「大丈夫よ。私もさっき夢じゃアないかと思って、その火に触ってみたのよ。」
おなかが一杯になると、セエラは、一人ではかけきれないほどある毛布を、ベッキイに分けてやりました。ベッキイは帰りしなに振り返って、貪るように室内を見廻しました。
「お嬢さま、これが皆朝になって消えちまっても、とにかく今夜だけはちゃんとあったんだから、私決して忘れないわ。」ベッキイは忘れまいとして、もう一度煖炉や、ラムプや、寝台や、床《とこ》を眺めまわしました。それから、ちょっと自分のお腹の上に手をおいて、
「こん中には、スウプに、サンドウィッチに、丸麭麺《マッフィン》が入って行ったんだわ。」と、それだけは確かそうにいいました。
朝になると、生徒も、召使も、いつの間にか昨夜《ゆうべ》の騒ぎを知っていました。皆は、セエラがどんな顔をして出て来るだろうと、待ちかまえていました。
セエラは皆の眼を避けて、真直《まっすぐ》に流し場へ行き
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