でしょう。」
 セエラはまた鞄の中から、古い夏帽子を見附け出し、飾《かざり》の花を引きはがして、テエブルの上に飾りました。
「いい匂がするでしょう。」
 セエラは夢の中の人のように、幸福そうな微笑《ほほえみ》をたたえながら、石鹸皿を雪花石膏《アラバスタア》の水盤《すいばん》に見たてて、薔薇の花を盛りました。それから毛糸を包んだ紅白の薄紙で、お皿を折り、残った紙と花とは、蝋燭台を飾るのに用いました。セエラは一歩退いて、飾られたテエブルを眺めました。そこにあるのは、赤い肩掛をかけた古テエブルと、鞄から出した塵屑《ごみくず》とだけでしたが、セエラは魔法の力で、奇蹟が行われたのを見るのでした。ベッキイまで、そこらを見廻していうのでした。
「あの、これが――これが、あのバスティユ?――何かに変ってしまったの?」
「そうですとも。饗宴場《きょうえんじょう》に変ったのよ。」
 その時戸が開いて、アアミンガアドがよろよろと入ってきました。彼女は肌寒い暗闇の中から、すっかり飾られた部屋に入って来ると、思わず声をあげました。
「セエラさん、あなたみたいに何でも上手な方は見たことないわ。」
「すてきでしょう
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