。それからあの、隣の監房にいる囚人も御招待しない?」
「それがいいわ。さ、壁を叩きましょうよ。看守になんて聞えやしないでしょう。」
 セエラは壁ぎわに行って、四度壁を叩きました。
「これはね、『壁の下の脱道《ぬけみち》より来《きた》れ、お知らせしたいことがある』という意味なの。」
 向うから五つ打つ響がありました。
「ほら、来たわ。」
 戸があいて、眼を紅くしたベッキイが現れました。彼女はアアミンガアドがいるのを知ると、気まり悪そうに前掛で顔を拭きはじめました。で、アアミンガアドはいいました。
「ちっともかまわないのよ、ベッキイ。」
「アアミンガアドさんのお招きなのよ。今いいものの入った箱を持って来て下さるんですって。」
「いいものって、何か食べるもの?」
「そうなの。これから、宴会のつもり[#「つもり」に傍点]を始めるの。」
「食べられるだけ食べていいのよ。私、すぐ行って来るわ。」
 アアミンガアドはあまり急いだので、出しなに赤いショオルを落しました。誰もそれには気がつかないほど、夢中でした。
「お嬢様、すてきね。私を招くようにあの方に頼んで下すったのは、お嬢様でしょう? 私それを思
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