ました。
「セエラさん、私莫迦ね、今まであのことに気がつかないなんて。」
「あのことって。」
「いいことなの。さっき伯母様から、お菓子の一杯つまった箱が届いたのよ。私お腹が一杯だったし、本のことで悩んでいたので、手もつけずにおいたの。中には肉饅頭《ミイト・パイ》だの、ジャム菓子だの、甘パンだの、オレンジだの、赤葡萄酒《あかぶどうしゅ》だの、無花果《いちじく》だの、チョコレエトだのが入ってるのよ。私ちょっと取りに行ってくるわ。ここで食べましょうよ。」
セエラは食物《たべもの》の話を聞くと、思わずくらくらしました。彼女はアアミンガアドの腕にしがみついて、
「でも、行って来られる?」といいました。
「来られるわよ。」アアミンガアドは戸の外に頭を出して、耳をすましました。「燈火《あかり》はすっかり消えてるわ。皆もう眠っちゃったのね。だから、そっと誰にもわからないように、そっと這って行って来るわ。」
二人は手をとりあってよろこびました。セエラはふと、また眼をきらめかせていいました。
「アアミイ! ね、またつもり[#「つもり」に傍点]になりましょうよ。宴会だってつもり[#「つもり」に傍点]にね
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