り、手をさしのべて、掌《てのひら》を開いたり握りしめたりしていました。もうじっとしてはいられないという風でしたが、でも、ミンチン先生が降りて行ってしまうまでは、身動きもせずにおりました。
「ずいぶんひどいわ。料理番はベッキイに自分の罪をなすりつけてるのよ。ベッキイはつまみ食いなんかするものですか。あの子は、時々ひもじくてたまらなくなると、塵溜《ごみため》からパンの皮を拾って食べてるくらいだけど。」
セエラは両手をひしと顔に押しあてて、欷歔《すすりな》きはじめました。セエラが泣くとは――アアミンガアドは、何か今まで気のつかなかったことに気のついた気がしました。ことによると――ことによると――彼女の親切な鈍い心の中に、恐ろしい事実がようよう姿を見せはじめました。彼女は手さぐりでテエブルの所へ行き、蝋燭に火をつけました。灯がともると、身をこごめて気づかわしげにセエラを見ました。
「セエラさん、あの――あなた、一言も話して下さらなかったけど、あの、失礼だったら御免なさい――でも、あなた、ひもじいんじゃなかったの?」
「ええ、ひもじいのよ。あなたにでも食いつきたいほどひもじいのよ。それに、ベッ
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