たのその不思議な眼が好きなの。どこか遠いところを見ているようで、とてもいいわ。その緑色がとてもいわ。でも、たいていは黒いように見えるのね。」
「猫の眼なのよ。でも、猫のように暗いとこまで見えるわけじゃアないのよ。見えるかと思ってやってみたけど、駄目だったわ。暗くても見えるといいわね。」
 ふと、天窓の上にかすかな音がしました。二人とも見ずにしまいましたが、黒い顔が天窓に現れて消えたのでした。
「今の音は、メルチセデクじゃアないわね。何かが石盤瓦《スレエト》の上を、そうっと擦って行くような音だったわ。」
 耳の早いセエラは、そういいました。
「何でしょう? まさか、泥棒じゃアないでしょうね。」
「まさか。盗んで行くものなんか、何もないじゃア――」
といいかけた時、また何か物音がしました。今度は二階で、ミンチン先生が怒鳴っている声でした。セエラは寝台から飛び降りて、火を消しました。
「先生は、ベッキイを叱ってるのよ。」
「ここにやって来やアしない?」
「大丈夫。寝たと思ってるでしょう。でも、じっとしていてね。」
 ミンチン先生は、屋根裏まで上って来ることなど、めったにありませんでした。が、
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