が皆幸福そうだったからでしたが、印度の紳士は不幸そうに見えたので、好きになったのでした。紳士は何か重い病気が癒《なお》りきらない風でした。台所の人達の噂によると、彼は印度人ではなく、印度に住んでいたイギリス人で、非常な失敗のため、一時は命までも失いかけたというのでした。彼の事業というのは、鉱山に関したものだそうでした。
「その鉱山《やま》からダイヤモンドが出るんだとさ。」と、料理番はいいました。「鉱山《やま》なんてものはなかなか当るもんじゃアないさ。殊に、ダイヤモンドの鉱山《やま》なんてものはね。」彼は横眼でセエラをじろりと睨みました。「わしらは、誰だって、そんな事ぐらい知ってるさ。」
「あの方は、お父様と同様の目におあいになったのだわ。」と、セエラは思いました。「それから、お父様と同じ病気におかかりになったのだわ。ただあの方は生き残ったばかりだわ。」
こうしたことから、セエラの心はますます印度の紳士の方へ惹き寄せられて行きました。夜お使に出される時など、窓から、あのお友達の姿が見られるかもしれないと思うと、何となしにいそいそしました。そこらに人影のない時には、セエラは鉄の格子につか
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