セエラはいままででも、辛い時には、いつもこの事を考えて、自分を慰めていたのでした。ミンチン先生にひどいことをいわれる時など、セエラは心の中でこういいながら、黙って先生を見返しているのでした。
「先生は、そんなことを、宮様《プリンセス》にいってるのだということを御存じないのね。私がちょっと手を上げれば、あなたを死刑にすることだって出来るのですよ。私は宮様《プリンセス》なのに、先生は愚かな、意地悪なお婆さんなのだと思えばこそ、何といわれても、赦してあげているのよ。」
 セエラは宮様《プリンセス》である以上、礼儀深くなければいけないと思いましたので、ミンチン先生はもとより、召使達が彼女にどんなひどい事をした時も、決して取り乱した様子などしませんでした。
「あの若っちょは、バッキンガムの宮殿からでも来たみてエに、いやにもったいぶってやがる。」と、料理番も笑ったほどでした。
 ラム・ダスとお猿の訪問を受けた次の朝、セエラは教室で、下の組の少女達にフランス語を教えていました。授業時間が終ると、セエラは教科書を片付けながら、御微行《ごびこう》中の皇族方がさせられたいろいろの仕事のことを考えていました
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