この家《うち》の人は印度にいたことがあるに違いありません。
「屋根裏の窓から首を出す人はないかもしれないけど、この家《うち》の人とは、何だかもう親しいような気がするわ。」
夕方牛乳を運び入れる時、セエラは大屋敷の御主人が、新しく越してきた家《うち》へ入って行くのを見かけました。そのうち出て来て、人夫達に指図をしたりするのでした。きっと大屋敷とこの家《うち》とは親しい間柄なのでしょう。
「子供があれば、大屋敷の子供達も、きっとこの家《うち》に遊びに来るわ。そして、面白がって屋根裏へ登って来ないとも限らないわ。」
その晩、セエラのところに来たベッキィは、こんなことをいいました。
「お嬢さん、お隣に越して来たのは、印度の人ですってさ、色は黒いかどうか知らないけど。大変なお金持で、大屋敷の旦那様は、その方の弁護士なんですって。あまり心配事があったので、身体を悪くしてしまったのですって、あの人は、木や石を拝む邪宗徒なのよ。何か妙な偶像を運んで行くのを、私見てよ。」
「でもそれは、拝むわけじゃアないんでしょう。仏像にはいいものがあるから、拝むためじゃアなく、眺めるために持ってる人があるのよ。う
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