に疲れ、国財日々乏しかりしに備後守信秀|沃饒《よくじょう》の地に拠《よ》つて富強の術を行ひ耕戦を事とし兵財共に豊なりしに、信長其業をつぎ、英雄の士を得て百戦の功をたつ。其国四通の地にして、京師《けいし》に近く且つ足利殿数十代の余光をかりて起られしかば威光天下に及ぶ。
 と云って居るが、当を得た評論であろう。
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底本:「日本合戦譚」文春文庫、文藝春秋社
   1987(昭和62)年2月10日第1刷発行
※底本は、物を数える際の「ヶ」(区点番号5−86)(「三ヶ国」)を大振りに、地名などに用いる「ヶ」(「梅ヶ坪城」等)を小振りにつくっています。
※底本では本文が「新字新仮名」引用文が「新字旧仮名」ですが、ルビは「新仮名」を共通して使用していると思われますので、ルビの拗音・促音は小書きにしました。
入力:網迫、大野晋、Juki
校正:土屋隆
2009年7月19日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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