フランダースの犬
A DOG OF FLANDERS
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee
菊池寛訳
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)年数《としかず》から言ったら
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)中には六千|法《フラン》という
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)飢※[#「渇」の「さんずい」に代えて「しょくへん」、第4水準2−92−63]《きかつ》
−−
ネルロとパトラッシュ――この二人はさびしい身の上同志でした。
ふたりともこの世に頼るものなく取り残されたひとりぼっち同志ですから、その仲のいいことは言うまでもありません。いや、「仲がいい」くらいな言葉では言いあらわせません。兄弟でもこれほど愛し合っている者はまずないでしょう。ほんとにこれ以上の親しさはかんがえられないほどの間柄でした。しかも、ふたり、と言っても人間同志ではないのです。ネルロは、フランスとベルギーの境を流れるムーズ河
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