カシムと、引きずり出した金貨の袋とを見つけてしまいました。
どろぼうたちは、自分たちの、人にかくしていたお倉《くら》を見つけられたので、大へん腹を立てました。そして、いきなりカシムをつかまえて、切り殺《ころ》して、からだの肉を切りきざんでしまいました。そして、ここへだれでも金貨をぬすみに来ないように、カシムの肉のきれを一つ一つ、ほら穴の中へつるしました。
カシムのおかみさんは、夜になってもカシムが帰って来ないので、大へん心配しました。そして、アリ・ババの家へ行って、カシムをさがしに行ってくれとたのみました。それでアリ・ババは、あくる朝早く、三びきのろばを引いて、ほら穴さして出かけました。
「開け、ごま。」そう言ってから、アリ・ババは中へ入って行きました。しかし入るとすぐに、おそれてちぢみ上ってしまいました。兄さんが殺されて、切りきざまれていましたから。アリ・ババは、ふるえながら、兄さんの切りきざまれた肉を、一きれずつていねいによせあつめて、二ひきのろばにつみました。そして、あとの一ぴきは強い小さな黒馬でしたが、これには金貨の袋を二つつみました。
アリ・ババは町へ帰って来て、まずカ
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