に出かけるようにと命令《めいれい》しました。
 アラジンは、まほう使の言った通りにおりて行きました。何もかも、まほう使が言った通りのものがありました。アラジンは三つの大広間と果物畠を通りぬけて、ランプのあるところまで来ました。そこで、ランプをとって油を捨てて、だいじにふところにしまってから、あたりを見まわしました。
 アラジンは、ゆめにさえこんな見事な果物畠は見たことがありませんでした。なっている果物がいろいろさまざまの美しい色をしていて、まるでそこら一面、にじ[#「にじ」に傍点]が立ちこめたように見えるのです。すきとおって水晶《すいしょう》のようなのもありました。まっ赤《か》な色をしていて、ぱちぱちと火花をちらしているのもありました。そのほか緑、青、むらさき、だいだい色なんどで、葉はみんな金と銀とでできていました。この果物は、ほんとうはダイヤモンドや、ルビーや、エメラルドや、サファイヤなどという宝石《ほうせき》だったのですが、アラジンには気がつきませんでした。けれども、あんまり見事だったものですから、帰りにこの果物をとって、ポケットに入れておきました。
 アラジンがやっと石段の下まで
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