んになるのをやめさせてくださいまし、とお願いしました。もうもう一晩だって、あんな目にあうのは、いやだと思ったものですから。
そういうわけで、ご婚礼《こんれい》はおとりやめになりました。そしていろんなお祝いもないことになりました。
さて、いよいよ約束の三月の月日がたってから、アラジンのお母さんは、王さまの前へ出ました。それで、やっと王さまは、お姫さまをこの女の息子にやると、お約束なすったことを、お思い出しになりました。
「それでは、わしが言った通りにすることにしよう。だが、わしの娘《むすめ》をおよめさんにする者は、四十枚の皿《さら》に宝石を山もりにして、それを四十人の黒んぼのどれい[#「どれい」に傍点]に持たせてよこさなければいけない。そして王さまの召使らしい、りっぱな着物を着た西洋人のどれいが、その黒んぼのどれいの手を引いて来るのだぞ。」
と、おっしゃいました。
アラジンのお母さんは、こまったことになったと思いながら家へ帰って来て、アラジンに王さまのお言葉をつたえました。
「アラジンや、そんなことは、とてもできないことじゃないかね。」
そう言ってため息《いき》をつきました。する
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